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10.NPO法人名古屋おやこセンター  「子育て支援員になって」

「子育て支援員になって」

 
NPO法人名古屋おやこセンター
清水 麻樹
 

私の子育ての始まりは十数年前、まだ「公園デビュー」という言葉の残る頃でした。
とにかく友達(ママ友)が欲しければ公園に行きましょう、という時代です。
私はというと、子どもに慣れておらず、初めての子育ては不安しかなく、 それまで社会の一員であったはずの自分が突然社会から切り離されたように感じ孤独でした。
急に子どものことならなんでも分かる母親にはなれません。
話の通じない、しかも自分の不注意で簡単に死んでしまう我が子と長い時間二人きりのプレッシャー、 かといって自分の思うように家事も育児も進まず不安な日々でした。
そんな中「子育て広場」と呼ばれる場所を利用することがありました。
「地域子育て支援拠点」の前身にあたり、利用料を支払って利用する乳幼児と保護者のための遊び場でした。
たびたび通ううちにスタッフとも話すようになり、ある日一つの質問をされました。
「いい子って何だと思う?」
私は少し考えて「親の言うことをきく子」と答えました。
そのスタッフの方はう~ん本当にそうかな、という感じで
「私は自立した子かな、と思う。自分のことは自分でできる子」
そのとき目からウロコが落ちました。
自分がコントロールしようとしていた子どもたちが思い通りにいかず不満、不安を感じ、 子どもがちゃんとしていないと自分がちゃんとしていないと思われると思っていました。
完璧な人間などいないのに、完璧を目指してへとへとでした。
母子だけで過ごす時間が長く、育児は母親の仕事だと思っていたので、子どもの評価が母親の評価だと思っていました。
本来育児は夫婦や環境やいろんな影響を受けるもので、母親だけでどうにかなるものでもありません。
今は「ワンオペ育児」という、1人で子育てを担うという意味の言葉がありますが、 ワンオペ育児は決して子育てのスタンダードであるべきではないと思います。
突然「親」と呼ばれるのは父も母も同じですから。助け合わないと。
結局私は自分が「大人の言うことを聞くいい子」を育てている「しつけのできるいい親」に見られたい!と頑張っていたのでした。
子どもが褒められれば親は自分が褒められたようにうれしいものです。
でも、いつでもどこでも誰にでも褒められるいい子などいないのです。
なのに私は子どもたちの思いを聞くことなく、自分の思うように子どもをコントロールしようと、もがいていました。 そりゃ疲れますね。いい親でもないですし。
そのことに気づいても自分を変えるのはなかなか難しく、未だに子どもを自分の思うようにコントロールしようとしてしまうことがあります。
子どもには子どもの思いがあるのに。
その後、広場のスタッフに声をかけてもらい、自分がスタッフとなって活動することになったのです。
ありがたいことに私は3児の母になっていました。
一人目であんなに悩んだ子育ても、家族や家族以外の方たちと助け合える環境のおかげで乗り越えることができたのです。
そして、子育て支援のお手伝いを始めて、子育て支援員として活動することになりました。
私は現在、名古屋市中区にある「名古屋市子育て応援拠点 おやこっこなか」で子育て支援員として活動しています。
子育て支援員とは、名古屋市や愛知県の実施する研修を受講すればどなたでもなれるものです。
私は子育てを応援するサポーターのようなものだと思っています。
初めての子育てに戸惑い、悩みながら子どもの成長を楽しむ利用者さんと出会う中で、 当時の自分を振り返り、日々反省し、利用者さんから教わることも本当にたくさんあります。
最近の子育ては私の頃とは違って、ネットでいろいろな情報が得られて便利な反面、情報の取捨選択が難しく、 何を信じたらいいのか分からなくなっている方が多いと感じます。
コロナ禍にあって、人と直接かかわる機会が減って戸惑っているのはママたちも同じです。
自分のことは常に後回し、子どもや家族を優先して必死な時にスマホの中の世界は眩しすぎるときもあるでしょう。
今のママたちは本当にいろんなことをよく知っている方が多く、知識は豊富です。
でも、悩みは昔とあまり変わらないような…知識はあっても子育ての知恵はどうなのか、 むしろコロナ禍にあって、なにが赤ちゃんの当たり前なのか、他の赤ちゃんはどうなのか、分かりにくくなってしまった感じがします。
時折、当時の自分のような利用者さんに出会うこともあります。
そんな時は当時の自分が言ってもらってうれしかった言葉をかけるようにしています。
「今のままで十分がんばっているよ、遊びに来てくれてありがとう。」
人とつながることで心が軽くなることがあります。
人とつながることで先を見通し、不安が和らぐことがあります。
「あなたはひとりぼっちじゃない」
私が教えてもらい、子どもたちにもママやパパにも伝えたい言葉です。

10. NPO法人名古屋おやこセンター [子どもの健全育成]

https://www.oyakocenter.nagoya/

子どもの豊かな成長を通した社会全体の利益への貢献を目的とし、 地域子育て支援拠点の運営や子どもを対象とした文化活動・社会活動に関する事業、親を対象とした子育てに関する支援をしています。
 

NAGOYA BORANPO NAVI

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