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09.NPO法人風の会  「私の進みたい地図を作ってくれた」

「私の進みたい地図を作ってくれた」

 
NPO法人風の会
來栖 千夏
 

2021年が始まり、新施設の建設現場を見ながら、利用者と職員でもうすぐ始まる新生活の話をするのが日常となっていたある日。突然の訃報。
自分の気持ちの整理がつかないままご自宅へお邪魔した。挨拶しても吉宏さんの返事が無い。
吉宏さんが常にいたベッドがない。
はじめて『感謝の・・・』『チュー』を聞くことなく、玄関のドアを閉めた。
重症心身障がい者施設「NPO法人風の会」。2021年春、みんなの念願だった新施設が完成。
利用者やご家族から要望の多かった「ショートステイ」事業が開始。
仲間たちと過ごす日中生活介護「ふきのとう」と、職員が利用者宅へお邪魔する「ホームヘルプサービス」とをあわせて新たな第一歩を歩み出した。
私にとって「ホームヘルプサービス」は毎回が学びや反省の場。
中でも三田吉宏さんとの出会いは、自分の今後を真剣に考え行動する力を与えてくれたとても大きな存在。
吉宏さんは、筋ジストロフィーという病気により人工呼吸器を使われている。
お母さんは風の会の副理事長でもあり、給食も担当。利用者や職員の為に日々働いてくれている。
吉宏さんは、昼間はお父さんと過ごされている。
水曜日と日曜日には職員がご自宅へ。
医師にも驚かれるらしいが、吉宏さんは呼吸器を使っていても会話ができる。
『こんにちはー』
『誰?』
『來栖さん』。
これが私との毎回の挨拶。そこからは髭剃り・足浴や体操など盛り沢山。
平日はお父さんに痰吸引をお願いしながらお母さんの『ただいま』まで過ごす。
お母さんの『感謝の・・・』に続いて吉宏さんの『チュー』で終了。
日曜日にはお母さんと職員で清拭や着替えなど更に盛り沢山。
そんな日曜日に三田家にお邪魔するのが私はとても好き。
『おはようございます』
お父さんがソファから立ち上がり
『よっちゃん。來栖さんがみえたからお父さんちょっと出かけるね』
『いい!』
ほんの数時間だが、お父さんはご自身の時間を過ごされる。
お邪魔する事を喜んでもらえているのかと嬉しかった。

「ふきのとう」への通所がなかなか叶わなかった吉宏さん。
作品作りは苦手だと先輩職員から聞いていたが、なにか楽しみを・・・の思いから開始。
最初、作品作りを一緒にするのは自分だけだったが
『次は何にします?』
『これやりたいんですけど』
職員の輪が大きくなり、1回だけから数回で仕上げる作品へ。
2019年には「ふきのとう」で制作するのと同じ壁画を作るまでになった。

最初は全くやる気のなかった吉宏さん。
毎回『今日はこれ!』と続けると『來栖さん。絵書く』が挨拶に。
私は心の中でガッツポーズ。
数回準備が間に合わず、持ち込み無しの日には吉宏さんは不機嫌で会話が少ない。
隣にいる私は、続ける事の意味や本人の意識の変化を感じられて笑顔で上機嫌。
自分が三田家の皆さんに出来る事は何かを真剣に考え喀痰吸引の資格も取得はした。
だが新型コロナウイルス感染防止についてご家族と話し合った末「ホームヘルプサービス」は中止に。
更にご本人の長期入院…。今年一月、吉宏さんはいつでも皆を見守ることが出来る場所へ旅立った。
私に仕事の楽しさや難しさを教えてくれ進むべき道を示してくれた吉宏さん。
はじめてだね。私からいっぱい・いっぱい・いっぱぁ~いの
『感謝の・・・』『チュー』

9. NPO法人風の会 [保健・医療・福祉]

https://kazenokai.jimdosite.com/

重度心身障がい者がひとりの人として、あたり前の暮らしをするために、 地域の方やボランティアと関わり合いながら、アルミ缶つぶしやさをり織、 ゲームやカラオケ等様々なことに取り組み、社会づくりに参加していくことで生きる喜びを体感し、 自立生活への夢の実現を目指して活動しています。
 

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